将棋 竜王戦

竜王戦:加藤一二三九段対藤井聡太四段の1戦はまさに歴史的な日になった


12月24日に竜王戦6組の加藤一二三九段対藤井聡太四段の1局が行われて、藤井新四段が勝利しました。

この1戦により、2016年12月24日はまさに歴史的な日となりました。

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藤井聡太四段のデビュー戦

 

藤井聡太四段といえば、史上最年少プロ棋士として今年三段リーグを1期抜けしてプロになった”天才”ですが、まだ14歳。デビュー戦当日の場の雰囲気に飲まれて実力が出せずに負けてしまうというようなことも想定はされていました。

しかしこの天才はそんなことはありませんでした。

私が見ていて思ったのは

若いのに強いなぁという感嘆の心と、全くミスをしないことに対する畏怖の念

そして将棋界の未来に対する希望でした。

相矢倉での1戦に

この対局は後手の藤井四段が相矢倉を選択してきました。

先手の加藤九段が矢倉で来るのはほぼ確定でしたので、後手の藤井四段がどのような戦型選択をするのか非常に見ものでしたが、あえての相矢倉に

局後のインタビューで

せっかく加藤先生と対局できるのだから矢倉で教わりたかった

と言っていましたので、矢倉で行くことは最初から決めていたようです。

 

中盤に大局観の違いが

 

中盤にさしかかった56手目、先手の加藤九段の55手目6三銀打に対して藤井四段が

4三銀打

とした場面

この場面に関して局後に加藤九段がしきりに

普通では指せない手

と言っていました。

※その場面が非常に面白いので是非ともタイムシフトでご覧になってみるといいと思います

 

実はこの局面では既に後手有利。きっと加藤一二三九段は6三に金を打った時点では少し自分がいいか互角か程度に思っていたのでしょう。4三銀打で自分が少し悪いことがわかって悔やまれるポイントだったのではないかと想像します。

 

 

ミスなく110手で勝利

その後は加藤九段が1筋から仕掛け、その後も攻め続けますが、藤井四段は全く間違えず、正確に対処していきます。

そしてひふみんの攻めは完全に切らされ、最後は藤井聡太四段が27手の即詰みに討ち取り、110手までで加藤九段が投了し、世紀の1戦は幕を閉じました。

 

歴史がはじまった日になるか

 

以上のように藤井聡太新四段のデビュー戦は加藤一二三九段との1戦だったわけですが、この対局は

  • 史上最年少棋士の記録を塗り替えた人vs塗り替えられた人
  • 現役最年長棋士vs現役最年少棋士
  • 年の差62歳の対決
  • 加藤一二三九段が19世紀生まれ・20世紀生まれ・21世紀生まれの棋士と対局したことになる日

という記録ずくめの1局でしたのでニコ生も物凄い将棋ファンが観戦し、将棋会館に駆けつけた報道陣の数も

これ、羽生さんが七冠達成した時くらいいるんじゃないの……

と思ってしまうほどでした(実際は羽生さんの時の方が多いですけどね)

 

ちなみに、2人の局後の様子も非常に対照的でした。

局後の模様を観戦していた方はご存知かと思いますが、加藤一二三九段、相当悔しそうにしていました。

そもそも76歳にして未だに戦いの場に身を置いて、勝負に負けて悔しいと感じられるほどの情熱を持っていることだけでもすごいことだと思います。

長丁場の対局を最後まで戦い抜いたその姿はとても輝かしく映りました。

 

対する藤井四段は対局が終わってもアッケラカンと(表現が適当ではないかも)としていていつもと変わらない様子。

局後インタビューでも

今日の将棋も最後までわからなかった。なんとか勝てた。将来的には竜王名人を狙いたいが、まだまだ実力不足なのでこれから力をつけていって頑張りたい。

と淡々と受け応えていました。

ですが藤井くん

 

もうあなた相当強いじゃないですか………

 

プロ棋士の中でどのくらいのレベルにいるかは今後数多くの棋士と対局していくことで明らかになってくると思いますが、本局はもう負けようがない圧勝。手合違いとまではいきませんが、加藤九段が

 

感想戦で検討したが、自分がよくなる筋が見当たらなかった

 

と発言するくらい完封だったということです。

解説陣も

ミスが1つもない

と絶賛していましたし、実際悪手はありません。

 

的確に受け切り、そして迅速に攻め倒す

 

攻守のバランスもいいですしやはり底知れぬ才能を見せつけられた気がしました。

本局は先ほど述べたように様々な記録づくめの1局でしたが、私は

 

藤井聡太という怪物が将棋界に舞い降りた日

 

として歴史的な1局だったのではないかなと思っています。

 

数年後に振り返って

2016年12月24日が藤井聡太の歴史が始まった日だったんだなぁ

としみじみ思っているかもしれませんね。

 

 

もし時間がある方は本局を並べてみてはいかがでしょうか。

先手:加藤一二三
後手:藤井聡太

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀 ▲2六歩 △4二銀 ▲4八銀 △5四歩
▲7八金 △3二金 ▲5六歩 △4一玉 ▲6九玉 △5二金 ▲3六歩 △3三銀 ▲5八金 △3一角
▲7九角 △4四歩 ▲6六歩 △7四歩 ▲6七金 △6四角 ▲3七銀 △3一玉 ▲6八角 △4三金
▲7九玉 △2二玉 ▲8八玉 △9四歩 ▲1六歩 △9五歩 ▲1五歩 △7三桂 ▲6五歩 △5三角
▲4六銀 △6四歩 ▲5五歩 △同歩 ▲同銀 △6五桂 ▲6六銀 △6三銀 ▲3七桂 △8五歩
▲5四歩打 △同銀 ▲同銀 △同金 ▲6三銀打 △4三銀打 ▲2五桂 △2四銀 ▲1三桂成 △同銀
▲1四歩 △同銀 ▲5四銀成 △同銀 ▲5五歩打 △4三銀 ▲1四香 △同香 ▲5四銀打 △同銀
▲同歩 △3一角 ▲6五銀 △同歩 ▲4六角 △8三飛 ▲2五桂打 △1二歩打 ▲4一金打 △6九銀打
▲3一金 △同金 ▲6四角打 △8六桂打 ▲6八金 △7八桂成 ▲同金 △同銀成 ▲同飛 △6七金打
▲6九銀打 △8六銀打 ▲3一角成 △同玉 ▲6四角 △4二香打 ▲7七銀打 △8七銀成 ▲同玉 △8六銀打
▲同銀 △同歩 ▲同角 △同飛 ▲同玉 △6四角打 ▲7五桂打 △8五歩打 ▲同玉 △9四角打
まで110手で後手藤井聡太四段の勝ち

 

 

 

 



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