将棋 竜王戦

竜王戦第3局は丸山忠久の勝ちで2勝1敗に。その『2勝1敗』がカギに

2016/12/02


竜王戦第3局が11月7,8日(月・火)山形県天童のほほえみの湯で行われ、挑戦者の丸山忠久九段が激闘の終盤戦を制して2勝1敗としました。

今回はその『2勝1敗』が実はいい数字であるということがわかりました。

今回は竜王戦の様々なデータを元にお届けします。

 

丸山九段が勝ちこれで2勝1敗に

 

全く駒がぶつからない序・中盤から一気に終盤へと展開し、そこで正確に指しきった丸山忠久九段が2勝目をあげ、これでトータル2勝1敗となりました。

ニコ生の解説が1日目は加藤一二三九段、二日目は佐藤天彦名人という豪華な顔ぶれだったのに加え、激戦の終盤戦が素晴らしい名局だったこともあり、非常に内容の濃い第3局でしたが、今回はその内容の解説ではなく、竜王戦のデータについてお話しようと思います。

今回丸山九段から見て『2勝1敗』ということになりましたが、この2勝1敗は実は近年の竜王戦7番勝負においては勝率(タイトル奪取or防衛)が高いものであるということがわかりました。

今回は「へーそんなデータなんだー」と気楽に見ていただけると幸いです。

 

 

竜王戦では3局目までに2勝1敗の人がシリーズを制す確率が高い

 

過去の竜王戦のデータを集計したところ、第3局が終了した時点で『2勝1敗』であった棋士がそのシリーズを制した割合が非常に高いということがわかりました。

データを集計したのは2000年以降の16シーズンです。この16年での白星・黒星と勝率に関するデータをまとめます。

 

1回戦の勝者は奪取or防衛に有利

 

  • 第1局の勝者がシリーズを制(防衛or奪取)した→11回=69%
  • 第1局の敗者がシリーズを制した→5回=31%

※以後小数点以下四捨五入

つまり初戦の勝者はあとの結果にかかわらず70%近い人がそのシリーズを制しているということになります。

逆に言うと初戦を落としてそのシリーズを制した割合は30%ほど。結構初戦は大事のようです。

 

第2局までに2連勝していれば有利

 

  • 第2局までに1勝1敗でシリーズを制した→5回=31%
  • 第2局までに2連勝してシリーズを制した→9回=56%
  • 第2局まで2連敗でシリーズを制した→2回=13%

 

こうみてみると第2局までに2連勝していた場合の奪取or防衛率は半分より少し高いくらい。1勝1敗もしくは2連敗でも結構いい勝負のようです。

第3局の段階で2勝以上であれば勝率8割

 

  • 第3局の時点で3連勝の人がシリーズを制した→4回=25%
  • 第3局の時点で2勝1敗の人がシリーズを制した→9回=56%
  • 第3局の時点で1勝2敗の人がシリーズを制した→2回=13%
  • 第3局の時点で3連敗していた人がシリーズを制した→1回=6%

 

こうしてみると第3局までの時点では、2勝1敗の成績でシリーズを制した人が1番多いようです。

普通3連勝の場合のほうが有利に見えますが、これは3連勝したパターンが少ないからこういうデータになっているわけです。

3連勝してシリーズを制した確率は5分の4なので80%となります。

 

そこでさらに次は「2勝1敗の場合の勝率」を見てきます。

もしかしらたよくわからないという方がいるかもしれないので説明しますが、今まで出してきた確率は

 

過去の16回のシリーズにおいて、シリーズ勝者が第3局目の時点で2勝1敗だった確率

 

であって純粋な2勝1敗の人の確率ではありません。

なのでこれから

第3局目までに2勝1敗だった場合

を母集団として

その条件の下でタイトルを防衛or奪取した割合

を出していきます。

 

第3局目までに2勝1敗だったのは今回データを集計した16回中11回。そしてその11回の中で2勝1敗の人が防衛or奪取をしたのが9回となります。

2015年:渡辺明(奪取)

2014:糸谷哲郎(奪取)

2013:森内俊之(奪取)

2011年:渡辺(防衛)

2010年:渡辺(防衛)

2007年:渡辺(防衛)

2002年:羽生(防衛)

2000年:藤井猛(防衛)

9回

そして2勝1敗から破れたのが

2006年の佐藤康光挑戦者は第3局目までに2勝1敗でしたがトータル3勝4敗で奪取ならず

2004年の森内俊之竜王は対渡辺明六段に第3局までに2勝1敗でしたがトータル3勝4敗で失冠

 

2回になります。

つまり、第3局の時点で2勝1敗だった場合、その人がシリーズを制したのは11回中9回=約82%

つまり、ここ15年のデータから見てみると今回丸山忠久九段は2勝1敗となりましたので、丸山九段がシリーズを制す確率は約82%という計算になります。

これは第3局までに3連勝した場合の勝率80%よりも高い数字ですね!!

 

あくまで数字、されど数字

今回は2000年以降の竜王戦のデータをまとめて紹介してみました。

2勝1敗の場合の勝率がとても高いことがわかったので丸山忠久九段の奪取に注目されますが、あくまで数字上での話ですのでもちろんどういう結末を迎えるかはわかりません。

さて、どうなりますかね~



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