将棋 竜王戦

第29期竜王戦第2局は丸山忠久九段が渡辺明竜王を下す/2局目の総括

2016/12/02


10月27日、28日に行われた第27期竜王戦第2局は98手までで後手の丸山忠久九段の勝利となりました。

今回はその第2局の総括をしてみたいと思います。

 

渡辺明竜王が初戦を制して迎えた2局目の結果は・・・

 

今回の竜王戦は直前で挑戦者が三浦弘行九段から丸山忠久九段に変更されるなどして非常にただならぬ空気感の元に開幕しました。

1局目は渡辺竜王が勝利を収め大事な初戦をものにしました。

丸山九段としてはこのまま連敗して悪い流れにもっていかれないためにもこの2局目は是非とも勝ち取っておきたい場面でした。

第2局は丸山忠久九段の勝利

第27期竜王戦第2局は10月27、28日に神奈川県の箱根ホテル小涌園で行われ、挑戦者の丸山忠久九段が98手までで勝利し、竜王戦シリーズを1勝1敗のイーブンに戻しました。

挑戦者を三浦弘行九段から丸山忠久九段に変更して行われた竜王戦第2局を振り返っていきましょう。

 

戦型は一手損角換わりに

 

戦型は予想通り後手の丸山九段が一手損角換わりを選択しました。

角換わりのスペシャリストですのでここは順当でしょう。

そして局面は竜王戦の挑戦者決定戦の三浦九段vs丸山九段の時と同じ進行で進んでいきます(図1)

 

図1:先手渡辺竜王3六歩まで

竜王戦7番勝負1局目に丸山九段が10月に行われた順位戦「渡辺明vs三浦弘行」の1戦と全く同じ仕掛けをしたことでコアな将棋ファンから様々な憶測が流れました。

  • 三浦九段の仕掛けをそのまま使ったのは三浦九段の処分への反発の現れだ
  • 竜王への非難の意味か

などと言われていましたが、単にその仕掛けが有効で使っただけのように思えます。

この序盤を見ていたら、今回もそのような趣向を凝らすつもりなのかと勘ぐられそうなものでした。

結局その後は違う指してで進んでいきました。

図2の場面では「急戦は避けますよ」という形へと進みお互いじっくりと指しすすめる流れになっていきました。

 

図2:後手丸山九段8一飛まで

 

先に仕掛けたのは丸山九段

先に仕掛けたのは丸山九段でした。

42手目6五歩(図3)から丸山九段が仕掛けここから難しい展開へと突入します。

 

図3

 

相手の攻めの後、手番が回ってきた渡辺竜王は攻守逆転と言わんばかりに6三歩以降一気に攻め立てます。

その後図4の局面まで進みます。

図4:丸山九段2五歩まで

この直前の2六歩を指すのに丸山九段はなんと1時間59分も使いました!!

1手に約2時間・・・!!将棋の2日制のタイトル戦では珍しいことではありませんが、この局面で使うとは以外でした。

ですがこの手は大正着。2筋の飛車の効きを止めておくことが急務の場面でしたのでここはその1手という感じですね。

 

しかしこの場面実はまだそこまで差がついていない場面。

差がついた決定的な場面は81手目から82手目にありました。

 

丸山九段長考からの好手を決めそのまま鮮やかに寄せる

81手目渡辺竜王が4四同飛とした場面(図4)

図4

ここで7六桂と飛びたくなるところですが、それだとまだ攻めが足りません。

そこで丸山九段は14分ほどの小考で5五角打(図5)と指します

 

図5:5五角打まで

 

これが先手玉をにらみつつも飛車取りになる好手で飛車を取られては先手は勝ち目薄に、6四と金を取る手だと以前角が玉を睨んでいるので7六桂からの攻めがより一層きつくなります。

また後手玉も結構薄い危ない形ですが今すぐに詰むわけではないので後手の攻めの速度が上回るだろうとされた場面でした。

その後一旦先手の渡辺竜王は反撃に出ますが、最後は鮮やかに詰みに討ち取られて終局となりました(投了図)

 

投了図:8八銀まで

まで98手にて後手丸山九段の勝利

 

外野からの雑音が多い中の竜王戦だが・・・

三浦九段問題が以前決着を迎えていない現段階では

竜王戦をこのまま開催していいのか

などの声も多く上がっています。

確かに今の状況で開催をするのは賢い判断ではないかもしれません。

しかし、様々な利害関係の狭間でこうして開催を続行することになった今、両者には素晴らしい戦いをして周りの雑音を吹き飛ばすくらいの勢いで頑張っていただきたいものです。



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