将棋 詰将棋

プロの実戦譜から詰将棋力を養おうpart1

2016/12/02


今回は実戦の中で登場した即詰みの場面を2局紹介しますので、それをみなさんにチャレンジしていただきたいと思います。

手数が長く難しく感じるものもあるかもしれませんが、順を追っていけばできるようなものを取り上げました。

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1:棋王戦森内俊之九段vs佐藤天彦名人の1局から

 

こちらはつい先日行われた棋王戦挑戦者決定トーナメント敗者復活戦から取り上げました。

 

まず詰みが生じた場面を見てみましょう。

 

ここは後手の手番です。先手が2二飛成とした場面で後手の攻め筋を考えてみて下さい。

実戦ではこの3手後に先手が投了しています。

7八飛打とかで切り込んでみたいところですが、それは6八歩と受けられ、4八成銀→同玉→6八飛成→5八香以下2筋に逃れられてしまいます。

 

ですのでここは

6七金

と金を空中にタダで捨てます。

玉が逃げますといずれも3手で詰みますから同玉と取りますが、その次が

6六香打

これが痛快です

実戦では6四香打として投了となりましたが、最長で逃げる場合は6五歩→同香→6六歩→同香とするしかなので最初から6六香と打っていたほうが早いです。

この手に対して玉が5八、7八に逃げればいづれも6八飛打からすぐ詰みますので5六玉と上部脱出を目指します。

そこで上部脱出を逃さない決め手がありました。そう

8九馬(図1-2)です

 

 

この8九馬が非常によく効いていて先手玉を詰みに導いてくれるのです。

6七合駒は同馬→5五玉→5四飛車までの詰み

ですのでここは6六玉と香車をとりますが、

6七飛打(図1ー3)

これもまたいい手です!!

これにより玉は5五に逃げても5六に逃げても6五飛→4六玉→4五馬(龍も可)で詰みとなります。

 

 

大駒が躍動したいい詰みの形ですね!!

いかにも「実戦での詰み」という感じで筋の勉強にもなりました。

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2:竜王戦 佐藤和俊 vs. 谷川浩司の1局から

 

こちらは竜王戦2組での対局からです。

ここでも実戦で使えそうな詰み筋がありました。

今は後手の谷川九段が3四角としたところ

先手を持って後手玉を詰ませてみて下さい

………………

…………

……

 

さて、いけましたでしょうか。

 

正直なところ、これはけっこう難しいです。

 

初手は見えやすい方かもしれませんが最後の最後まで追っていくのはそうとうな棋力が必要になってくると思います。

 

初手は

3四桂打

です。ここを同歩ととりますと、2三銀→同角→同金→同玉→4一角(変化図1)→2二玉(3三玉)→3二角成→1二玉(4四玉)→2三金(5四金打)まで11手で詰みます。

 

 

ので図2では同角ととりますが、

2二金打(図2-1)

と張り付いていきます。

以下1三玉→2三金→同角→同金→同玉→4一角といき、先ほどの変化図1と似たような場面が登場してきます(図2-2)

 

さて、変化図1とこの図2をよく見比べてください。

変化図1では持ち駒が金だったために、3三玉→3二角成→4四玉と逃れられた時に5四金と打てたのですが、今回は持ち駒が銀になっているのでこの流れでは詰まなくなっているのです!!

ですので人ひねり必要になってくるわけなのです。

 

さて、どうしましょうか。

図2-2の後は3三玉とするわけですがここで詰ませ方が2通り存在します。

それは

3二と

4五桂打

なのですが、まずは3二とといった場合を見ていきましょう。

 

3二ととした場合、2三玉、4三玉、4四玉と3つ選択肢があります。

4三玉ですと、5四銀打→4四玉→4五金として簡単に詰みます。

4四玉の場合は4五金→5三玉→5四金→6二玉→6三角成→6一玉(5一でも同じ)→5二銀打(変化図2)までで詰みです。

2三玉の場合は4二と(好手!!)→1二玉→2三銀打→1四玉→1五銀→2二玉(1二玉)→2三銀成(変化図3)までで詰みです。

まるで作られた作品かのような詰み筋で美しいですね!!

 

次に3二との所を4五桂とした場合を見てみましょう。

ここでは4三玉、4二玉、4四玉、2二玉と4通り手があります。

2二玉ですと3二角成から変化図3に似た詰み筋になるので省略。

4四玉では5三銀→4三玉→3二角成ですぐ詰みます。

4三玉とした場合を深く見てみると、4四に玉を呼び寄せると詰むということがわかったので、4四歩と打ちます。

ですので同玉とはとらず4二玉と逃げますが、そこで4三銀→3一玉(5一玉)→3二銀成(5二銀成)として詰まします(図2-3)

最後は4二玉(図2-4)を見ていきましょう。

ここでは4三歩と打って玉の移動させます。

同玉ですと、さきほど4三玉と逃げた形と同じになるので4四歩以下詰みです。

なので5一玉と逃げますが、ここで

5二銀打

そうすると6二玉→6三銀成→6一玉→5二角成(図2-5)まででキレイに詰みます。

この場面ですごいのは、7一に歩がなかったら詰まないというところですね

まるで精密に作られたかのような詰みの筋が実戦で見れたのは感動ものでした。

以上長い(最長19手)にもおよぶ詰みの筋が沢山ありましたが、非常に役に立つものだと思うので何度も見返して(できれば盤で実際に並べてみて)いただければなと思います!!

 



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