将棋 王座戦

羽生善治さんが王座を防衛!!全然衰えてない!?

2016/12/02


10月4日(火)山形県上山市の「葉山館」にて第64期王座戦五番勝負第3局が行われ、131手で挑戦者の糸谷哲郎八段が投了し、羽生王位の防衛が決まりました!!

羽生3冠はこれにより5期連続・通算24期目の王座を獲得しました。

5月31日に佐藤天彦当時八段に名人位を奪取された時は

  • 羽生さんも衰えた
  • 羽生時代の終焉か
  • 世代交代の幕開けだ

などの声が上がっていたのですが、蓋を開けてみればその後の棋聖・王位・王座を3つとも防衛し見事3冠を維持したのです!!

結局羽生さんは衰えていなかった!?

王座戦での羽生さんの戦いっぷりから検証してみたいと思います。

 

怪物糸谷哲郎八段をストレートで下しての王座防衛

この結果は誰も予想していなかったのではないでしょうか。

遡ること2016年7月25日(月)佐藤天彦名人対糸谷哲郎八段の王座戦挑戦者決定戦が行われ、時間差戦略をうまく使った糸谷八段が見事羽生王座への挑戦権を獲得しました。

この時ネットの声としては

  • 天彦名人よりかは楽かもしれないけど奪取されると思う
  • 糸谷八段が時間差攻撃で勝つ!!
  • 羽生さんがギリギリで防衛か

などがあがっていたように思います。

実際に久保利明九段、中村太地六段が日経のインタビューに答えた時

3-1で糸谷八段が奪取(ただし初戦を糸谷八段が勝った場合) by久保九段

3-2で辛くも羽生王座が防衛する by中村六段

と予想しており、強豪プロ棋士の間でも羽生さんが奪取されるか、ギリギリ防衛するかという羽生王座にとって相当厳しいシリーズになるであろうという前評判で一致していました。

過去の2人の対戦成績も羽生王座6勝、糸谷八段5勝とほぼ互角で、直近の対決では糸谷八段が2連勝していました。

しかし、結果は羽生王座の3連勝

しかも内容も羽生王座の圧勝と言っていいほどでした。

 

1局目:95手で完勝

 

王座戦の第1局は2016年9月6日、神奈川県横浜市「横浜ロイヤルパークホテル」で行われました。

ここで糸谷八段が勝って勢いにノッてくるか!?と目されていた第1局でしたが、結果は95手羽生王座の完勝

糸谷八段が一度も主導権を握ることができないまま即詰みに討ち取られました。(投了図)

投了図:3二金打まで

糸谷八段が全く何もできずに敗北したので、この時点でやや羽生さんが防衛するのでは?と囁く人が増えてきました。

 

2局目:170手で粘る糸谷八段を振り切る

 

王座戦第2局は9月26日に京都のウェスティン都ホテル京都で行われました。

この1局は中盤まで互角で終盤に羽生王座がリードを広げましたが糸谷八段も意地を見せました

最終的な手数は170手で、糸谷八段が投了しました。(投了図2)

 

投了図2

 

この大事な1局に羽生王座が勝ったことで

  • 勝ち切る強さが戻ってきた
  • 羽生さんの真骨頂が見れた
  • 完全復活か!?

などと騒がれるようになります。

第3局:一瞬のスキを逃さず勝ち切り131手で防衛

 

そして王座戦第3局

絶対に負けられない糸谷八段は得意の一手損角換わりでくるかと思いきや、5三銀右急戦という後手矢倉の急戦戦法を採用してきました。

終盤まで互角で迎え、一進一退の状況が続く中、糸谷八段が104手目8二飛車と引いた場面が出てきます。

実はこれが緩手で、以後羽生王座がジリジリと差を広げていきます。

そして投了図1手前と投了図を見て下さい

 

投了1手前

 

投了図

と金を角で取るという一見悠長な手ですが、後手はこの角を取ってしまうと自身の角も取られてしまい詰まされてしまうのでこれを取れません。

いわゆる「友達をなくす手」と言われる超激辛の1手なのです。

この1手を見て糸谷八段は深々と投了しました。

 

やっぱり羽生さんは強かった

 

出典:https://www.amazon.co.jp/

 

名人位を佐藤天彦当時八段に奪われた時は公式戦6連敗という羽生さんらしからぬ連敗をして完全に衰えを指摘されていました。

棋聖戦で永瀬六段相手に1勝2敗とカド番に追い込まれたり

王位戦で木村一基八段相手に2勝3敗とカド番に追い込まれたり

もう駄目か・・・・

というところで華麗に連勝し防衛を決めてしまいました。

また今回の王座戦のように竜王経験者の糸谷八段という強豪をストレートで破ってしまうなどやっぱり勝負強さは健在だったようです。

連敗していた時はやや調子が悪かっただけで、現在は6連勝中とまた王者街道まっしぐらです!!

ただ、若い頃と少し違うのは

  • 流石に読みの精度は多少落ちている
  • 勝ちを「確実に」決めに行くようになった

という点だと思います。

長手数の詰みを発見できなかったり、狙いがよくわからないような手を指すことが増えてきたため衰えたと指摘する人もいたのですが、ここぞという時の勝負勘は至って健在で、最盛期よりは劣っていても以前最強の部類です。

勝ちを確実にというのは、終盤攻め急がないで安全に勝とうとする手が増えたということです。

以前のような大胆さは減ってきましたが、それでもやっぱり強いのです。

経年劣化ということはどの棋士にも共通して起こることですし、羽生さんもその波が押し寄せてきているとは思うのですが、長年トップで戦ってきた経験と勝負勘は以前冴えまくっており、「衰えた」という言葉は不適格だと思います。

ぜひ来年も

全然衰えてないじゃん!!

と言わせていただきたいので引き続き頑張ってほしいと思います!!



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